重要なお知らせ
古着不用品をお送りいただいているみなさまへ

2008.10.15

★古着不用品の受付を再開します


詳細は以下をご覧ください

古着不用品のページ


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2008.09.02
中間報告
★差し止められていた古着不用品を回収できる目処
  ただし、古着不要品の受け付け中止は今しばらく続けます

詳細は以下をご覧ください


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2008.2.28
古着不用品の一時募集中止
 
すでに送られているものは責任を持って引き取ります
     


21世紀協会では古着不用品を募集してから多くのみなさまにご支援をいただき、今では、現地事務所の予算の4割に迫る大事な資金源となっています。
不用品を募集するにあたって、現地では町長の書面による許可を得、地元では今日まで問題を起こすことなく、順調に不用品の販売を続けてくることができ、当協会の資金調達はもちろんのこと、町のみなさまにも喜ばれてきました。

ところが、突然、税関から荷物を差し止めるという通知を受けてしまいました。詳しい事情は以下に説明していますのでお時間のあるときにご一読いただければと思いますが、これに伴い、21世紀協会では古着不用品の募集を一時的に中止します。すでに荷物をお送りいただき、現在税関に止められているもの、あるいは、これから留め置かれることになるものについては、税金を払ってでも責任を持って引き取りますのでどうぞご安心ください。



以下に詳細な事情を説明します。



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2008.10.15

★古着不用品の募集を再開します

皆様には長らくご心配おかけ致しましたが、税関で滞留していた505箱の荷物をようやく受領することが出来ました。混乱が落ち着きましたので、古着不要品の募集を再開させていただきます。これまで見守ってくださった皆様には、心より感謝申し上げます。

またこの505箱の荷物は2,3週間の間に一気に事務局に届きましたので、まだ開封していない荷物もございます。近日中には受領お知らせのお便りを全て発送できる見通しですので、なかなか手元にお便りが届かないという方がいらっしゃいましたら、ご一報頂ければと思います。

これまで温かく見まもってくださった皆様に、心よりお礼申し上げます。もし皆様のご家庭に眠っている、しかしながら思い入れがあり捨てられない、というものがございましたら、これを機にお送り頂けると幸いです。どうぞ宜しくお願いいたします。

21世紀協会ミンドロ事務局
インターン 田畑智美






2008.09.02

日本の皆様へ"うれしいお知らせ"

税関で差し止められていた荷物をやっと回収できるめどがたちました。荷物をお送り頂いた皆様には大変ご心配をおかけしましたが、税関倉庫に保留されていた荷物全てを1ヶ月以内には回収予定、ほどなく皆様に受領の通知をお送り致します。


郵便配送センターマニラ港湾内にある郵便物集配センター




集配センター(屋内)集配センター(屋内)




差し止められた本当の原因は一体何なのか?
6月半ばに荷物差し止めの通知を受け取って以来足掛け5回税関に出頭、また、担当職員の指示通り国税局をはじめ所轄の事務所を訪れましたが結局埒があかず、途方に暮れていたのですが、最後にいきついたのは税関郵便物収集課、そもそもことの起こりとなった保留通知を送ってきた部署です。ここでねばった結果意外とスムーズに話しがすすみ、保留荷物のリリースが決定しました。話を簡単にすると、フィリピンでは"成文法"と"慣例"のギャップが大きい、ということです。実際今回の件で私もそれなりにフィリピンの法律について調べてみましたが調べれば調べるほど簡単な荷物を送ることもかなりむつかしいことに気付きます。しかし、実際にはどうかといえば、当協会宛を別にしても何千箱という荷物がこのマニラの税関郵便物収集センターに毎月届き、各地方にことなく配達されているのです。ある犯罪行為を防ぐためにできるさまざまな法も実際のニーズにそぐわなければ機能しないことの一例です。今回差し止めになった本当のところの原因は昨今ますます増える協会宛の荷物の量にさすがに担当者も「黙認するわけにはいかなくなった、立場上調査する必要がある」、といったところだと思います。今回の一件で担当者に十分協会の活動内容が理解され、決して営利目的でない、ということが伝わったことは大きな収穫です。

法王庁からの贈り物
今回担当者との協議の中で次のような経験談を聞きました。担当官がもっと若かった頃、フィリピンで例のエドサ革命(1986年)でマルコス大統領による独裁に終止符が打たれた直後の頃のことです。この革命の最大の立役者のひとりであるフィリピンのローマカトリック教会の代表シン枢機卿にローマ法王庁からその貢をねぎらう意味で純金の金杯が5つ送られてきたそうです。しかしカトリック教徒が国民の7割を占め、国民の精神の支柱であるシン枢機卿といえ、この金杯は税の対象になります。政教分離は現代民主主義の支柱です。ここで当時担当官の上官のアイデアで金杯は空港で盗まれたことになったそうです。そして金杯はなんなくシン枢機卿の手元に届けられたそうです。

"人が法"のフィリピン
先の例は融通の利くフィリピン人ならではのほのぼのとした話ですが、実際にはフィリピンの法制度は問題にあふれています。卑近な例では文部省の通達です。例えば2004年度ハイスクール入学生については入学後一斉に学力テストがあり「一定のレベルに達しない生徒は一年就学年数を増やす」、という指示が出、事実協会奨学生の何人かはその対象になりました。しかし、翌年この通達は撤回、また2007年度卒業生は一種の大学資格試験が課せられ得点により四年生大学、短大、専門学校と振り分けられることになりましたが今年は廃止になっています。こういった朝令暮改の法や規則が蔓延するのは文部大臣や次官が替わる度に方針が変わるからですが、その根底にはフィリピン語の法を意味する言葉「バタス(batas)」がそもそも成文法や慣習法を指すよりも統治者そのものを指すという事実でもうなずけます。フィリピン人にとって法は人、統治者であることのほうが自然であり、しっくりいくのかもしれません。しかしこのことが汚職を蔓延させ、さまざまな支障を引き起こすことは想像に難くありません。

不要品送付再開について
とりあえず問題は解決しましたが、上にも述べましたようにフィリピンの法制度の現状を考えると今後まったく問題が起こらない、とは言いきれません。しかし、皆様からの贈り物は協会事業を大きく支え、現地の人々の喜びとなっている以上一刻もはやく再開したいと考えています。ただ今しばらく混乱を避けるためにご送付いただくのをお待ち下さい。あらためて再開の通知をさせていただきます。

ご送付いただいた皆様のご厚意、ご理解に深く感謝致します。再開の折には今後ともご協力宜しくお願い致します。

現地事務所代表
川嶌寛之


08年7月28日

日本の皆様へ
突然のことなのですが、税関から協会宛の荷物の保留の通知を受けました。詳細は下記の通りです。日本の皆様からお送り頂いている「不要品の寄付」は協会事業の生命線、なんとしても受領できるようあらゆる手を尽くしておりますが、皆様にご心配をおかけすることはできません。一時ご送付の停止をお願い致します。解決次第、不要品事業の再開をさせて頂きます。なお、マニラの税関に保留されている荷物、すでにお送り頂いた荷物については有償でも受領し必ず皆様に受領のご連絡をさせていただきます。宜しくご理解いただきますようお願い致しますと同時に、これまでの温かいご支援をこの場で改めてお礼申し上げます。ありがとうございます。


税関からの突然の通知
先月6月半ば頃です。マニラの税関郵便物収集課から一通の通知が届きました。内容は「税関に届いている貴団体の荷物受け渡しにつき免税証明書を持参の上当局に出頭せよ」という内容のものです。困惑したのはいうまでもありません。日本の善意ある皆様から不要品をお送り頂いて数年になります。これまで一度もこのような通知を受けたことはありません。地元サンタクルスの郵便局長によれば、日本からの荷物がマニラ港内の税関倉庫に保管されたままだ、と聞きました。とりあえず通知に記載してある担当官の携帯電話に電話すると、通知にある内容と同じことを返答するだけ。そして「すぐ来い」の連続です。マニラまで悪路と海路を乗り継ぎ乗り継ぎ半日の旅、しかも業務を放り出してすぐ行けるわけもなく、「とにかく出来るだけ早く出頭します」と口を濁して返答、と同時にマニラ出張の段取りをはじめました。

税関郵便物収集課で
数日後マニラ港内にある税関倉庫の片隅にある郵便物収集課事務所を訪問。予想通りとてつもなく広いマニラ構内に税関の事務所は散在しており、迷いに迷い汗だくになってやっとたどり着くと係官は別の事務所に外出中、それでも親切な別の役人のおかげでやっと担当者に面会、当協会の事業内容や日本からの荷物がどのように使われているのかを詳しく説明しました。上官の法律担当官も含め事務所の数人に向かって蕩々と荷物のリリースを嘆願したのですが、結果は「それなら同じ税関の免税許可局に行く必要がある」、さらに「おまえのいっていることが本当かどうか書面で証明する必要がある」、とのこと。とりあえずミンドロに戻るしかありません。

町長の賛同書
地方であればこういったトラブルが起きた場合、大抵地元政治家の一筆で解決します。日本と違い、行政のトップである町長や知事の権限はとても強いのです。ミンドロに戻り次第早速地元サンタクルス町の町長室を訪問、事情を説明して「日本からの不要品がどれだけ地元の少数民族や貧困者のためになっているか、ついては税関で保留されている荷物の速やかなリリースを要請する」意の手紙を作成していただきました。

再びマニラ港へ
一週間後再びマニラ港内にある今度は免税局を訪問、係官に事情を説明すると、「免税証明書を発行するには国税局に行き承認書を発行してもらわないといけない」、ということです。マニラの官庁に明るくないので担当官の名前等を調べてもらい、今度は同じマニラ湾沿いではありますが数キロ離れたフィリピン中央銀行隣にある大蔵省本庁に急行、国税局事務所内の教えられた担当官を捜し出し事情を説明すると、「なるほど、そういうことなら隣の課の誰々さんの所にいったほうがいいわねえ」、とう返事。その担当官を捜しまたまた事情を説明すると、「ううむ、こういった件については福祉省に行き、しかじかの申請書類を出してしかじかのプロセスを経ないといけない。ちょっと僕もあまり詳しいことはわからないけど」、という返事。

荷物保留の原因
たらい回しの役所巡りの間にかき集めた情報を総合すると、どうやら荷物保留の原因は国庫の破綻にあるようです。財政危機が深刻になる度に政府から各省庁は資金徴収の目標値が通達されます。国税局は当然のことですがビザを発給する入国管理局や税関は高い目標値を与えられ、すると当然のことですがビザ取得費が値上がりしたり、今回のように日本からの郵便物の審査が急に厳しくなります。国税局の役人によれば、あるカトリックの修道会が当協会のように海外から寄付された物品(草履など)をスラムの子供達に渡していたのですがそういった草履まで最近税金がかけられている、という話を聞きました。


どこも同じ縦割り行政、中央集権的行政
そもそもこういった事情は地方在住者にはわかりません。マニラの役人でさえ明快な回答がないほど煩雑な手続きなど地方の住民にわかるわけがありません。しかも大抵の法令は朝令暮改、地方に法令が届いた頃には次の法令が出て前法令が無効、といった笑い話もあるぐらいです。そしてもっとも困るのは、中央の役所では地方に住んでいるということをまったく考慮されないことです。日本でいえば北は北海道から南は沖縄までこういったトラブルが発生する度に東京に出頭しなければならないようなものです。貧困層が過半数を占める途上国での国民への負担は想像を絶するのですが、まったく考慮されていません。国家試験なども登録から試験まで全てマニラ、地方の住民にとってはとても大きい負担です。

今後の対策
先に触れたようにフィリピンは朝令暮改法令の連続です。そのうちに事態が変わる可能性(急にリリースされる)も大ですが手をこまねいて待っていることはできません。目下国会議員への陳情書を作るために署名を集めています。皆様の善意の品々が協会事業を支えてきました。多くの患者の命を救ってきました。時間がかかってもなんとしても解決するつもりです。どうか現状をご理解の上、さらなるご支援を宜しくお願い致します。


21世紀協会では逐次最新のニュースをお伝えしていきますので、どうぞ気長に見守っていただきますようお願いします。

川嶌寛之(21世紀協会ミンドロ事務所長)