SamSara

田畑智美の

《ミンドロレポートその44》



フィリピンの米騒動


田畑智美とマンニャンスタッフ



政府米はまずいフィリピンでも米が主食

 わたしたちの毎日の食卓に上る米。フィリピンでも日本と同じように米が主食です。今回はこの米についてレポートしていきたいと思います。

 わたしがここミンドロ島に赴任した当初は民間から米を購入していましたが、米の価格の上昇に伴い、ついふた月ほど前よりフィリピン食料局(NFA)から米を購入しています。

 このNFAから米を購入するのがまず大変で、購入できる米の量は一人当たり2キロまでと決まっていて、必ず署名をしなければなりません。1回に購入できる量が一人あたり2キロだと何日かしかもたないのは当然のことです。何度も何度もNFAに通わなければならないのは大変なことですから、わたしたちは患者の記録から名前を借りて名簿を提出し米を購入しています。

政府米はマズイ、クサイ

 しかもこのNFAライスは臭いがきつく長期保存のためと思われる薬品が大量に使用されていることが予想されます。時々米の中に石が混ざっているのかと思いきや黒くなっている米が混ざっていることもあり、この米を食べ続けるとどんな悪影響が出るのかと思うと怖いものがあります。

 しかし、そんなことは言ってられないほど米の価格は今年に入って跳ね上がっている。庶民はNFA米に頼らざるを得ません。

食糧の輸入依存体質

 問題はなぜこんなことが起こっているのかということです。フィリピンの米は国内生産だけでは賄えないため毎年200万トン近く米を輸入しています。国内生産量が需要量を満たしていません。これが今回の米騒動の根本的な原因だということができます。世界中で米不足が広がる中、これまで主食である米を輸入に依存してきたツケが表面化したのです。

 フィリピンは数十年前まで世界有数の米生産国で、ベトナム、タイの学生が米作技術の勉強に来るほどでした。しかし、これまでに生産性の高い優良な水田が、産業用地やバナナ、オイルパームなど他の現金作物栽培に転換されてしまったのです。政府は水田の転用に厳しく目を光らせ、昨年から規制を厳しくするなどしてきましたが、未だ輸入依存体質そのものは変えることができていません。

さらに国際米研究所(IRRI)によれば、食糧安保に必要な生産は3.4tと言われていますが、フィリピンの国内の米生産は1ha当たり3ttと規模が小さく、生産性がとても低いのです。また貧しい農民には増産のために必要な肥料、農薬、種子が高騰し手が届かない上、米生産継続のために必要な十分な補助も得られずにいるということなのです。

食の確保をにはパーマカルチャー

人間生きるために最も重要なものは、なんといっても食糧です。食糧を輸入に依存したために他国の情勢に左右されたり、燃料高騰に左右されてしまう食糧生産の構造では、必ず飢えが蔓延するに違いありません。目下わたしたちが米を購入する際規制が厳しくなることが考えられますし、購入できる米の量もどんどん減って行くことも予想されます。

そういった意味でやはりパーマカルチャーの理論の重要性を感じずにはいられません。まずは21世紀協会ミンドロ事務局という一つの単位の中でパーマカルチャーの理論を利用して自給自足を確立させること。これを成功させることができればパーマカルチャーの有効性を語ることができるのではないでしょうか。


windmill 2008年8月
21世紀協会ボランティアスタッフ
田畑智美
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