インターネット版 《サンサーラ》

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マンニャン族の社会




 マンニャン族は平和を愛する静かな人々です。その人たちは何を信じて生きているのでしょう、また、いかに平和を愛するマンニャン族といえども、社会を形成している以上、人間関係のトラブルはあります。マンニャン族はどうトラブルを解決するのでしょう。
 ほかに、マンニャン族の世界観や社会制度など。


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駆け落ち

 親の許さない相手を好きになったり、結婚している者どうしが恋におちたりという、いわゆる「許されない恋」の果てに、ふたりは駆け落ちして山に逃げてこむことがあります。村人は、山を捜索し、ふたりを村に連れ戻します。二人は、長老の前に引き出され、本人、家族、村の評議員など、それぞれが自分の立場から言い分を述べます。その結果、駆け落ちに至った事情を斟酌して、刑罰が決まります。たとえば、3日間村の広場にさらされた後、5回の背たたきといった具合です。酔っぱらいの亭主に嫌気がさして逃げた、というような事情も考慮されます。刑罰が執行されると、関係者の話し合いで、ふたりの身の振り方が決まります。ふたりの一緒になりたいという意志が固い場合、それぞれの配偶者や親を説得します。たいていは、牛一頭と米2俵程度の「慰謝料」を払って解決されます。話し合いに決着がつき、問題が円満解決されると、ふたりは誰はばかることない夫婦となったり、夫婦が元のさやに収まったりすることもあります。

最終の決定は、長老が下すのですが、村の人々や関係者が徹底的に話し合い、全員が納得する結論が出るように心がけるのがマンニャンのやりかたです。




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ウソ発見儀式

 マンニャンの村で盗みが発覚しました。誰かがカラバオを盗んだのです。犯人を捜し、カラバオを取り返すとともに、犯人を罰しなければなりません。もちろん、「わたしが盗みました」などと手を挙げる者はだれもいません。今回は、マンニャン社会ではどのようにしてうそをついている犯人を捜し出すかを紹介します。

 被害を受けた人が村の長老に訴え出ると、村人が全員集められます。広場のまん中には薪が積み上げられ、鍋がかけられて、湯を沸かします。湯が沸騰したら、その中に石を入れます。そして、煮えたぎる湯の中の石を、村人全員がひとりずつ、拾い上げるのです。不思議なことに、正直者は決してやけどをしません。やけどをするのは犯人だけです。つまり、やけどをした人がうそをついている、ということになります。科学的には説明がつかないのですが、外部の人間でこの儀式を目撃し、犯人以外はやけどをしなかったと証言する者もいます(ただし、自身はこわくて手を湯の中に入れられなかったとか)。犯人の処罰については、例によって、長老が集まり、被害者や村人の意見を聞いた上で、決定されます。日本古来の儀式、盟神探湯(くがたち)に似ていると思いませんか。

 しかし、やけどをするわ、罰を受けるわで大変です。悪いことはするものではありませんね。




結婚(イラヤ部族の場合) もくじへ

マンニャンの結婚

 マンニャンの男女が知り合うのは、祭などの行事のときです。求愛は、男性が女性の家に薪を持ってくることから始まります。女性の両親がこれを受け取ると、男性が受け入れられたことになります。その後、交際を続け、結婚の意思が固まると、双方の両親が会って、この結婚に障害はないかを検討します。マンニャンでは、近親婚はタブーです。従兄弟はもちろんのこと、同じ曾祖父を持つもの同士の結婚は固く禁止されています。万一、結婚を約束した男女に血縁関係があることがわかり、若い男女がなおも結婚を主張する場合、両親は豚を殺し、ふたりにその腸を食べさせ、いさめます。  正式に結婚が認められるのは、男女が同じ敷物の上で夜を過ごしたときからです。初夜は、女性の家で過ごします。両親はふたりの上に布をかぶせ、これをもって、ふたりを夫婦となります。ただし、このときまだ、ふたりは性交渉を持つことは許されず、ふたりの間に親戚の長老が数人寝ます。毎夜、ふたりの間で寝る親戚が一人ずつ減り、最後にふたりだけで夜を過ごすことが許されれるのです。




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死と悪霊

 マンニャンの世界は、いろいろな神や霊に支配されています。中でも、善霊と悪霊が、それぞれ、幸運と悪運の原因となります。不作、病気、死等は悪霊の仕業と見なされます。

 マンニャンの死は、「息をしなくなった時」です。良い人生を送った者の魂は、神の住むガヤン・ガヤンという場所に行きつきますが、そうでない者の魂は、ガヤン・ガヤンに行けず、あたりをうろつき、生きている者にとりつき、病気や不幸、死をもたらします。その魂は、森にとどまり、死骸を食べ、人々を恐怖に陥れます。このため、マンニャンは、とくに、夜、森をうろつく霊を恐れるのです。




郵便制度(ハヌヌオ族) もくじへ

マンニャンの郵便制度

 マンニャン族にはスペインが侵入する以前から文字がありました。そして、とてもユニークな郵便制度を作っていたのです。

 ある人が遠く離れた友人に手紙を送りたいとします。この人は葉っぱに手紙を書き、宛先を記した竹の筒にこれを入れて道ばたにつるしておきます。たまたま通りかかった人が宛先を見て自分の方向なら、最終目的地が違っても、一番近いところまでこれを持参します。分かれ道でまたまた竹を道ばたにつるしておくと、別の人がこれを持って、目的地近くまで運びます。こうして、最終目的地まで「郵便」が届くようになっているのです。

イラスト:榊原朝子



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