SamSara

《ミンドロレポートその12》




人間、この面白きもの 〜友情パワーより〜

定例ミーティングにて発表する伸也君

windmill

一時帰国 

 約10ヶ月ぶりに、関西に戻った。

 せっかくなので、ミンドロ島へ行く以前と比較して、何らかの変化を感じようと努めた。

 まず、高校時代の友人2人の名字が結婚のため、変わっていた。リアルタイムで祝いの言葉を贈ることが出来なかったのを少し残念に思った。それ以外でようやく気付いたのは、大阪梅田駅ホームのトイレが新しくなっていたこと、私を除く家族4人がメールの出来る携帯電話を持ち始め、リサイクル法施行直前に買い換えた、以前のものより少し大きくなったテレビが置かれているということだった。そして、少なくとも、かつて私の周りを取り囲んでいた社会全体が、差ほど大きな問題もなく、平和であったということだった。まず、安堵し、その後、何気なく嬉しくなった。

 多くの友人、諸先生、先輩方とも時間の許す限り再会を果たした。各々忙しい中、私のために時間を割いて下さった。今の私が、一つだけ自慢できることがあるとすれば、こういった、'私にとっての"大人物"を多く持っている'、と言うことである。

 彼らは、単に私に情報交換の機会を与えてくれるだけではない。彼らから得る有機的、能動的、積極的な話は、直接私自身のエネルギーとなり、私の日々の行動を円滑に、かつ面白くさせてくれる。 このエネルギーが産み出す力のことを私は、『友情パワー』と呼んでいる。

 チェーン店の寿司屋の店長をしている幼なじみは、次の日の仕込みを終えて、夜9時半に自家用車で私を迎えに来た。それから、大阪西成区でバイクの部品販売をしている幼稚園以来の友人が、10時に仕事を終わらせ、オートバイを走らせ、11時に尼崎に着き、我々と合流した。数時間、是非を問わず、一年間の各々の出来事を感情がままに、吐くように語り、吐く寸前まで飲んだ。その後私は、必死の安全運転で自宅まで送ってもらった。その日は火曜〜水曜で平日、もちろん彼らは、それから朝より仕事がある。

 高校のブラスバンド部の友人達は、関空まで迎えに来てくれ、見送りにも来てくれた。時間があれば意味もなく集まり、最後は、いつものファミリーレストランで、内輪でしか理解し得ない話をし、明け方近くまで盛り上がった。彼らとは、単に自宅間距離が近いせいか、もしくは他に何か理由があってのことなのか、自然のなかで最もダラダラと付き合った仲間である。ほぼ、兄弟と言っていい。

 大学の同期にも会えた。ある奴は社会人2年目に突入し、ある種の貫禄を帯び始めていた。また、奴らの随分大人びた姿は、ジーパン、ジージャン一張羅だった隣に並ぶ私を、随分幼稚な存在に思わせた。大学院2年目で更に雄弁風、知的風になった奴もいれば、社会人になった奴もそうだが、これからの進路を考えあぐねている奴にも会えた。いずれの奴らも少なくとも私にとっては、会って楽しい、という意味で、いい奴らである。

 私は幸せ者だ、と思った。と、同時に、上記の人々以外でも私のミンドロ生活を支えて下さった、数え切れない方々に、全力で感謝しなければならない、という使命感も持った。

 そして、ミンドロ島再び…。

 今私は、ここ、ミンドロ島に再び存在している。過去をゆっくり振り返ってみて、この自分がいるのは、25年間に出会えた、無数の人間との関係の積み重ねの結果だということを想った。そして、それらの人々が発するエネルギーは、私の源を成すパワー、いわゆる"友情パワー"となって、成長の大きな糧となっている。 ちなみに、私が友情パワーを感じる瞬間は、身体の内側から「よっしゃー!!」叫び声が鳴り響く瞬間である。 確か、前回のレポートで、ミンドロ生活一年の締めくくりとして、結構ぼろかすに書かせてもらった。当時の本心なので訂正はしない。が、今思うことは、私ほどの幸せ者がそれくらいのことでイライラしちゃいかん、と言うことである。

"希望" 

 今回の「友情パワー」によって得られた新たな財産の一つ、"希望"という強烈な感覚が、私にそう思わせる。

 文化、言語、生活習慣、様々な意味で異なる環境の人々と付き合うのであるから、感覚の差異が生じて当たり前なのである。しかし、より良い社会を目指す'NGO'という観点から更なる成長を目指すには、当たり前だからと言って、既存の相手の行為、価値観を鵜呑みにしてはいけない。まずは、誤解、失敗を恐れず、蠅取り紙のような粘り強さで相手を理解しようと努め、時には意見のぶつかる場面からも逃げてはいけない。そして、日本での人間関係以上に、慎重に、じっくりと建設していこう、という心構えが必要である。何を建設するのか、それはもちろん、より良い人間関係、つまり『友情』である。 さあ、これからまた一年、どうなるだろう。ということは、予言的才能がない私にとって、考えても至極難解なので、まず、自分がどうするか、を考えることにする。

 最後になったが、次の一年のミンドロ生活のけじめも含めて…

 "池田理事長、川嶌事務局長、同窓の国金さん、その他、日比両国における21世紀協会のスタッフの皆様、奨学生諸君、そしてミンドロ島の皆様、今年も力の限りやらせていただきます。どうか宜しくご指導、お願い致します。"


windmill

2001年6月


21世紀協会ボランティアスタッフ
紫垣伸也
21世紀協会ホームへ 《サンサーラ》目次へ contact us
21世紀協会ホームへ 《サンサーラ》目次へ ご意見、ご感想、資料請求



(c) 21st Century Association 2001