奨学金事業


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| 概要 | 受益者 | 予算 | 事業責任者 | スケジュール | 効果 |


概要 奨学生個別給食費

バギオ地区

 奨学生の全ては国連の定める貧困層(年収$343以下)の家庭に属しており、栄養失調、虚弱体質により病気がちである。また、イゴロット族を中心とする少数民族でもある。奨学生になる前は、経済的問題以外にその病弱さのために、何度も学校からドロップアウトしそうになった子供達であり、昼食代がないために、飢えと恥ずかしさから学校への足が鈍ることもしばしばであった。また、奨学生の多くは、貧困のため、家庭が破綻し、両親の離別、死別などから、十分なケアや、必要な生活のアドバイスを満足に得ることさえできないでいる子供達でもある。そこで学校就学に必要な学費以外に、給食代という名目で生活補助金を支給し、栄養事情、健康状態を改善しようというのがこのプログラムの目的である。また、担当者は給食費を毎月ただ支給するだけでなく、破綻した家庭のカウンセラーとして活躍し、必要に応じて家庭訪問を行なっている。

ミンドロ地区(マンニャン族)

 全ての子供は学校に行く、教育を受ける権利を有しており、これは基本的人権でもある。従って、長い間学校に行く機会をほとんど奪われてきたマンニャン族は社会的から疎外されてきたと言える。しかし、権利と義務とは常に表裏一体であり、マンニャン族の場合でも教育を通して社会参加の意識、フィリピン人としてのアイデンティーティが芽生えるとともに、教育を受ける義務の意識を育てていかなければならない。

 義務感の成熟は直接精神的自立につながっている。この意味から21世紀協会では奨学金事業をはじめた当初から制服や文房具を支給する里親制度と個別給食費を意識的に分け、後者を本来奨学生の両親、またはマンニャン社会が負うべき義務と考え、後述するマンニャン族農村開発事業とからめて、マンニャン社会全体の経済生活の改善、経済的自立のインセンティブに使ってきた。全てのマンニャン奨学生は学校就学のために山地の親元を離れ、サンタクルスの町で寮生活をしている。従って給食は日に3度支給されているが、彼らの両親を中心にした協同組合は野菜を中心に食料を支給する義務を負い、その供給量は着実に増えている。また、協会事業全体の自立経営をも目論んだ農業学校経営が具体化すれば、21世紀協会の農地でマンニャン奨学生やその家族が作った作物によって給食を全てまかなえるはずである。



受益者 給食
PPFの奨学生を除く全ての奨学生


予算 給食
ミンドロ地区 33人X(25ペソX30日X10カ月)=P247,500 \990,000
    *協同農地、マンニャン販売店、及びシプヨで牧畜訓練を受けた訓練生4名を含む
バギオ地区区 6 X(10ペソX30日X10カ月)=P 18,000 \ 72,000


事業責任者 給食
バギオ地区Sr.Monique Cloutier
ミンドロ地区Fernando Tuscano (食糧生産、調達責任者)
Rhea M. Barraca(給食管理責任者


スケジュール 給食
バギオ地区 毎月地区ごとの担当者がミーティングを開き、その場で支給する。このミーティングでは、時に保護者も同席し、家族問題や学業についてのカウンセリングの場ともなる。
ミンドロ地区 給食管理責任者が毎日献立の指導を行いながら当番の奨学生にその日の予算を渡す。買物は、奨学生に町の市場で予算の範囲内で必要な買物をする技術を身につけさせるという教育的効果もねらっている。予算は奨学生の出身村から供給される食糧の量をチェックしながら日々臨機応変に対処するものとする。また、管理責任者は子供達の健康状態についても、日々チェックする。



期待される効果及び住民の自立の促進についての効果 奨学生個別給食費

バギオ地区

 個々の奨学生にとって健康は自立を築く土台である。給食費支給によって、病気になることなく毎日学校に通学することが、子供達にとって精神的自立の第一歩である。実際、病弱で常に周囲の人たちの世話を必要としていた子供達の健康状態は改善され、成績も向上している。卒業者の多くは定職を得ることができ、本人の経済的自立を達成するとともに、同じ境遇に苦しむ地域の人たちの希望となっている。

ミンドロ地区

 21世紀協会では全ての事業が教育の機会、自立の機会となるよう設計されている。先にも述べたように協会では奨学金事業を、教育を受ける権利と義務の二つの側面から捉え、特に「子供の食費はその両親が賄うべきである」という考えに立ち、奨学生個別給食費を義務意識のインセンティブに使ってきた。96年度から、子供達の出身村で両親を中心に協同組合を立ち上げ、村人の経済生活を改善すると共に、子供達に定期的に食料が届けられるシステムをつくり、着実にその成果を上げてきた。

 しかし97年度には、郵政省の食費援助が打ちきられ関係者一同大変なショックを受けた。現実には寮生活をするマンニャン奨学生にとって食費は奨学金事業の大半を占めており、日本側の協議では「最悪の場合一時事業を延期することも致し方ない」、という結論に達していたが、現地での継続の要望は予想以上に強く、この事業に対するマンニャン族の期待がいかに大きいかを再認識する機会となった。この出来事は結果として村人に奨学金事業の継続が彼らの未来にいかに大切であるかを認識させ、与えられるだけの奨学金事業からともに築き育てていく事業へと方向転換する大きな契機となった。98年度には食費全体の25%を両親及び協同組合からの負担分と目標を高く設定し、ほぼその数字を達成する勢いである。しかし、残りの75%を21世紀協会が調達しなければならないことに変わりなく、奨学生の食費が不足しているという事態は依然として続いていることも事実である。

 また、奨学生からの食費の供給を含めた現地の自立経営手段の一貫として、農業学校コンプレックス事業構想の具体化と実現が急がれている。これは、農業学校経営という大きなプロジェクトの一環として農地を購入し、その多角経営のもとに現地での自給自足を図ると言うものである。日本からの援助金にできるだけ頼らず、奨学生とその両親、それを取り巻くコミュニティーが一丸となって自らの食料を生産するのである。これは事業の現地自立の大きなチャンスであり、軌道に乗れば、受益者全てにとって大きな自立への自信につながるはずである。


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