インターネット版 《サンサーラ》

SamSara

テレサと私


村田さんの里親里子交流記

 「本当に、これで一年間の学資になるのですか?」信じられないようで思わず聞いてしまいました。その春に双子の息子達がそろって私立の高校に入学し、法外とも思える年間費を払ったばかりでした。それもさして勉強が好きとも思えない子どもたちのために。それに比べ、本当に学びたいと思っている子どもたちがセーター一枚我慢する程度の出費で学ぶことができるならわたしにとってもたいへんうれしいことです。わたしはさっそく里親会員の申し込みをしました。

 こうして紹介していただいたのがテレサです。まもなく事務局を通して現地の責任者から彼女の手紙と写真、そして、彼女の家庭環境、成績表、推薦のことばなどが送られてきました。それによると、テレサは小学校6年生、8人兄弟の4番目で母親とは別居中、父親が日雇い労働者をして生計を立てているが、仕事がないときもあり、生活はたいへん苦しいということ。そんな中でテレサは母親の代わりとして小さい弟妹のめんどうを見たり、家事をしたりしながらたいへん生き生きと生活し、勉強にも熱意があるということ、もし援助をしていただけるなら勉強を続けて、将来は先生になりたいと言っている、とのことでした。そして、そおテレサからの手紙には、一生懸命勉強します。とても感謝しています、という意味のことが多少たどたどしくかつ可愛らしく書いてありました。見知らぬ国の見知らぬ女の子からの親愛の情のこもった手紙...それは、わたしに新たな世界を広げてくれたのです。ドウゾ、ヨロシク...私もさっそく返事を書きました。テレサよりももっともっとたどたどしい英語で。

 あれから2年、テレサも今や高校生になりました。最近の写真は少々女らしく美しくなって、その成長の速さには驚かされます。それでも、おてんばぶりも相変わらずで、課外授業もよくやっているようです。高校生になってまた違う世界が広がって楽しくて仕様がないのでしょう。元気なのはいいけれど、勉強の方はだいじょうぶかしら。なんだか子どもがひとり増えたような気分です。彼女にはぜひ努力を続けて「先生」になってほしいのです。先生になって地域の子どもたちに勉強を教えてあげてほしい、そう思っています。

 彼女を励ます手紙書いているうちに、私も思わず約束してしまいました。「私も英語の勉強、がんばるわね。」もっとましな手紙が書けるように、そして、いつか会える日のために。

里親会員 村田雅子

村田さんはその後、21世紀協会の理事になられました。

《サンサーラ》 10号 1994.11.1掲載


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