公開質問状


郵政大臣

野田 聖子様

1999年3月8日

21世紀協会

理事長 池田晶子

 日頃、NGO団体に対し国際ボランテイア貯金の運営を通じてご支援ご協力をいただき厚く感謝申し上げます。

 私たち21世紀協会も1992年以来、国際ボランテイア貯金の配分を受けることによってフイリピンにおける教育・農業等を通じた対象地域の村民の自立自助に向けた支援活動を大きく前進させることができました。

 21世紀協会は今後とも、会員を増やす活動など協会の主体的な力量を高める努力をしてまいりたいと考えていますが、自主的なボランテイア活動の資金的な限界はもちろんありますので、私たちの活動資金の重要部分を国際ボランテイア貯金の配分金に依っていることから、今後も引き続き配分をお願いしたいと考えております。

 以上のことを踏まえたうえで、最近のボランテイア貯金の運営状況について21世紀協会として情報開示を求めるとともに、以下の質問をさせていただきたく、よろしくご回答を願いします。

情報開示の要求

 配分団体、非配分団体の配分申請書、中間報告、完了報告書等すべての団体の提出したすべての公式書類、ならびに、貴省の監査、返還要求内容等のすべての関連資料の開示を求めます。

 ボランティア貯金推進室小林係長からは正式に拒否のご返事を3月5日に架電にていただきましたが、理由が報告書類等は公開を前提としていない、プライバシーの保護等と曖昧です。当協会をはじめ、多くの団体において、報告書類はすべて公開を前提としており、書類の開示には何の支障もないとの認識で一致しています。逆に、書類を公開できない団体があるとすれば、そのような団体に配分を行っていることの是非を問いたい次第です。

蓋し;

 一.NGOとのパートナシップの再構築と審査基準の明確化

 郵政省殿としては、NGOに対しどのような姿勢で国際ボランティア貯金を運営されようとしているのかお伺いします。

 毎年のように、事業完了報告書の審査に新しい基準が導入されています。前年度問題視されなかった点が次年度には問題となったり、監査の基準に首尾一貫性が無く、さらに事前に話し合う機会も持たれないまま、いきなり差額金の返還というのは如何なものでしょう。これでは、運営のあり方が民主的とは言えず、なによりも郵政省殿が国際協力NGOを対等のパートナーと見ていないと思われても仕方ありません。多くのNGOで理不尽な扱いに対する不満が募っていることをご存じでしょうか。

配分の基準、および、事業完了報告書の監査の基準を明確にするとともに、郵政省殿としてはNGOをどのように考えていらっしゃるのかお答えください。

 二.行き過ぎの会計監査

 会計帳簿については重箱の隅をつつくような細かい質問がなされるのに、事業内容についての質問がなされないのはなぜでしょうか。

 現地の人々の中には、文字を書けない人や学校教育を受けたことがない人など様々だということ、あるいは、現地において領収書を求めることで友好関係が損なわれかねないこともあるということを理解されているでしょうか。領収書一つをそろえることも容易ではないのが現状なのです。近年の微に入り細を穿つ完了報告書の監査は、NGOの活動を全く理解していないものと思われてなりません。第三世界の奥地における活動に対して、日本の銀行並の帳簿を求めるのは行き過ぎと言われても仕方ないのではないでしょうか。

2100万人の加入者の皆様からお預かりした貴重な配分金がどのように国際協力のために有意義に使われているのかを監視するのは大切なことであることは、充分承知をした上でお尋ねします。

 三.安易な数量化

 事業の効果を数量化して示せ、できるだけ5年程度で事業を完了せよとの要求ですが、「草の根の事業」について、どのように数量化して示せと言われるのでしょうか。特に教育の効果を見るには長い時間がかかり、決して数量化できるものではありません。また、教育事業を5年で完了させて一定の効果を上げるなど不可能です。

 郵政省が援助事業の理念に教育(技術移転を含む)や人々の自立を強調し、決して物の供給でないことを力説されているにもかかわらず、数量化とはどういうことでしょうか。

 また、安易な数量化は援助の内容を矮小化させる大きな危険を孕んでいることを理解されているでしょうか。

 四.他省補助金との併願について

 これは郵政省殿だけの問題ではありませんが、ボランティア貯金では外務省、農水省等他省庁の補助金との併願を認めていません。その大きな理由として政府系の資金を二重に交付できないと言われていますが、合理的理由とは言えません。さらに、ボランティア貯金は、政府系資金でしょうか。当協会の理解では、ボランティア貯金は民間の資金です。たとえ管理するのが政府であっても、税金ではありません。この点、改善を求めるとともに、お考えを伺いたく、質問します。

ボランティア貯金の原点に戻って...

 経済状況が厳しい状況の中で、国際ボランティア貯金の利率も低下し運用資金の効率的な運営が求められているであろうことは想像できます。

 しかし、資金運営状況が厳しい今だからこそ、今一度国際ボランティア貯金の制度理念の原点に戻って共に考えることが求められているのではないでしょうか。

 1991年1月にスタートした国際ボランティア貯金制度は、草の根の交流である「NGO活動を活発にする素晴らしい」画期的な制度として現在も国民から高く評価され、今や加入者も2100万人を越える状況となってきています。

 この制度は、小さな国際協力に一歩を踏み出した加入者の、国境を越え、同じ「地球市民」として助け合おうとする熱い心を結集したものです。

 私たち21世紀協会も、国際ボランティア貯金制度に助けられ、草の根の国際協力で現地の人達の力になることで加入者の方々の心にお返しができるものと確信しております。

 (財)国際ボランティア貯金普及協会の「メッセージ集」56ページにも、「寄付金による海外での援助活動は、現地の人々の心に日本への友情を育てています。」とあります。

 制度の運営にあたって、数字の細かい世界もそれなりに大事なこととは思いますが、郵政省は、草の根でボランティアとして活動する国際協力のNGO団体の人達へ「元気を与えてくれる強い味方」であってほしいと切に願う次第です。

以上

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風車

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21世紀協会 1999.3.8